カワウワーキンググループが主催してきたカワウの自由集会も、今回で7回目になります。
 広域に移動するカワウの移動は色々な方法によって調査されていますが、その全体像まではなかなかつかめません。カワウの行動圏については保護管理の視点からも近年関心が高まっています。そこで、標識調査とそれに関わる調査や活動について、“つける”“知る”“見つける”“結果を活かす”という流れに沿って10名の演者に発表していただきました。

カワウの標識調査とは、環境省鳥類標識調査用金属リングと一緒にプラスチックの板を加工して作ったカラーリングを巣立ち直前のヒナに装着し、標識した個体を観察・回収することによって、カワウが生まれた場所からどこへ移動していくのか、いつ繁殖を始めるのか、どれくらい生きるのかなどを調べる手がかりを得るというものです。

カワウの標識調査については、下記のホームページをご覧下さい。
◆カワウ標識調査グループ  http://www6.ocn.ne.jp/~cring973/index.html
◆愛知県カワウ標識調査グループ http://www6.ocn.ne.jp/~akawau/
◆大阪鳥類研究グループ  http://www.mus-nh.city.osaka.jp/wada/OBSG/OBSG.html

タイトル カワウを通して野生生物と人との共存を考える(その7)
カラーリングによる標識と参加型調査について考える
企画者 高木憲太郎(バードリサーチ)、石田朗(愛知県農業総合試験場)
須川恒(龍谷大学深草学舎)、福田道雄(東京都葛西臨海水族園)
会 場 奈良女子大学(奈良市北魚屋西町)
http://www.nara-wu.ac.jp/access.html
日 時 2004年9月17日 18:00〜20:00
講演要旨 [ 講演要旨集の一括ダウンロード(PDF/2729kb) ]

18:00 【1】“はじめに
高木憲太郎(バードリサーチ)
18:05 【2】“総 論”
■「カワウの標識調査によって解明できること、できないこと」
福田道雄(カワウ標識調査グループ)[ 要旨(HTML) ]
18:15 【3】“つける” 標識調査の事例紹介
■「弥富野鳥園での標識調査」
西崎正二(愛知県豊田加茂農林水産事務所)[ 要旨(HTML) ]
■「滋賀県のカワウ調査(2004年度)」 須藤一成(イーグレット・オフィス)[ 要旨(HTML) ]
18:35 【4】“知 る” 標識時に同時に行える調査の事例紹介
■「標識時にカワウの雛の性別を知る方法とその意義」有馬浩史(京都大学医学部)[ 要旨(PDF) ]
■「吐出魚の調査とその意義」若園美沙子(兵庫県立大学理学部生命科学科)
18:55 休 憩
19:00 【5】“見つける” カラーリング情報の収集と公開のシステム
■「青H3から始まったカワウ調査−近畿地方のカワウのねぐらとコロニーの分布」
奥田幸男(大阪鳥類研究グループ)[ 要旨(HTML) ]
■「近畿地方におけるカワウの標識鳥情報の収集 −市民参加の可能性−」
和田岳(大阪市立自然史博物館) [ 要旨(HTML) ]
■「関東のねぐらのモニタリングにおける標識情報集めの体制」
加藤ななえ(バードリサーチ) [ 要旨(PDF) ]
19:30 【6】“結果を活かす” 普及啓発展示の事例紹介
■「カワウの標識調査の啓発活動の例」
片岡優子(三田市立有馬富士自然学習センター)[ 要旨(PDF) ]
19:40 【7】“総合討論
■「昆陽池と竹生島にあるカワウのコロニーにおける標識調査と、西日本のカワウの分布と移動」 須川恒(龍谷大学深草学舎)[ 要旨(HTML) ]