プロジェクト紹介

コサギ調査


コサギは日本では最も普通に見られるシラサギ?


コサギ

 コサギは「日本で最も普通に見られるシラサギ」とよく紹介されます。確かに以前はそのとおりだったのですが,現在もこれは正しいのでしょうか。

 最近,関東地方の各地から,コサギの姿を見かけなくなってしまったという報告が相次いでいます。河地(2004)の日本野鳥の会栃木県支部が1980年から行なっている探鳥会の記録の解析によると,1980年代前半には必ず記録されていたコサギが,1980年代後半から記録率が減少し,2000年代には60%以下になったとのことです。また,内田(2007)は埼玉県東松山市周辺でのコサギの越冬数が著しく減少しており,その原因がオオタカによる捕食ではないかと鳥学会大会で発表しました。

 このような減少に同意する人もいる一方で,コサギは今も普通に見られるという話も聞きます。コサギが減少したのは地域的なもので全国的にはまだ普通のシラサギなのでしょうか? もし,コサギが著しく減少しているのなら,早急にその原因を明らかにし,対策を考えなければなりません。サギ類のコロニーは、よく地域住民とトラブルになり,駆除や追い払いが行なわれています。無秩序なコロニーの追い払いは、コサギの減少をさらに加速させる危険もあります。

 そこで,コサギの生息状況のアンケートを実施することにしました。みなさんが良く訪れる河川や水田,湖沼などにコサギが現在生息しているのかどうか,生息状況に変化がないかどうかを教えてください。アンケートでお尋ねする内容は簡単なものです。全国から一人でも多くの方々のコサギの情報をお待ちしています。ぜひ,ご協力ください。

調査の結果    生態図鑑


河地辰彦.2004.栃木県におけるコサギとダイサギの生息状況の変化について.Accipiter10:27-36.
内田博. 2007.埼玉県でのコサギの越冬個体の減少要因を探る.日本鳥学2007年度大会講演要旨集.

現在情報収集休止中,再開したらご協力お願いします